犬猫は人の4倍のスピードで歳をとると言われています。
「最近ちょっと様子が変かも?」と思っても、加齢のせいと見過ごしてしまうことも。
今回はそんな見落としを防ぐために、健康診断について解説します。
この記事を読めば、「健康診断ってどうして必要なの?」「どんなことをするんだろう?」「健診を受けたけどその後どうしたらいいの?」
などの疑問が解消するはずです。
はじめに|「元気だけど、健康診断って必要?」
こうした疑問を持っている飼い主さんも少なくないですよね?
犬猫の健康診断は1日お預かりして行うこともあり、費用面も高額に感じられることも多いようです。
しかし、健康診断は「犬猫の健康寿命」を伸ばしいつまでも元気でいてもらうためには必要なものです。ここでは健康診断がどうして必要なのかや、一般的な費用について解説します。
必要な理由|犬猫の1年は人の4年
犬や猫は人よりも非常に早いスピードで成長し、歳をとると言われています。
1歳になるころには人の20歳前後まで成長していると言われ、その後は1年で人で言うところの4歳歳をとると言われます。
そのほど1年間で体の状態も大きく変わるということは、病気の進行も早く、初期症状を見落としていると気付いた時には大きな病気になっていたというケースもあります。
健康診断を年1〜2回行うと、そうした初期症状にいち早く気が付くことができるのです。
健康診断でどんなことがわかるの?
動物病院で行う健康診断では、見た目だけではわからない体の状態を調べることができます。たとえば、次のような検査があります。
- 身体検査(体重、視診、触診、聴診など)
→ しこりや心雑音、関節の異常など、目に見えない不調の手がかりに。 - 血液検査(肝臓・腎臓の機能、炎症の有無など)
→ 血液成分から内臓の働きをチェック。症状が出る前に異常に気づけることも。 - 尿検査・便検査(泌尿器・消化器の状態)
→ 結石や腸内環境の乱れなどのサインが見つかることもあります。 - レントゲン・エコー検査(胸部・腹部、心臓や内臓の構造確認)
→ 目では見えない体内の臓器の状態を確認。腫瘍や心臓病の早期発見にも役立ちます。
動物病院によっては、これらをセットにした「健診コース」が用意されていることもあります。詳しい内容や費用は、事前に病院に問い合わせてみましょう。
健康診断を受けるタイミングと頻度は?
健康診断は、若いうちは年に1回、シニア期(7歳以上)は年に2回を目安に行うのが理想です。年齢が上がるにつれて病気のリスクも高くなるため、定期的にチェックしておくことで早期発見・早期治療につながります。
また、持病がある子や、過去に病気を経験したことがある子は、よりこまめなチェックが安心です。
「何もなかった」はとても良いこと!
「検査で何も見つからなかった」と聞くと、なんとなく拍子抜けしてしまうかもしれません。でも、これはとてもいい結果です。
健康診断は、「今の状態を確認すること」自体に価値があるものです。
また、過去の健診結果と比較することで、体の変化に早く気づくことができます。
- 体重の増加 → フードや運動の見直し
- 血液検査の数値の変化 → 内臓の働きの変化のサイン
- 尿検査で尿石 → 将来の膀胱炎や尿路閉塞のリスクを回避
- 歯石や歯周病 → 早期にケアすれば、将来的なトラブルも防げる
健康診断の費用や注意点は?
健診にかかる費用は病院や検査の内容によって異なりますが、おおよそ5,000円〜15,000円前後が一般的です。
画像検査(レントゲンやエコー)まで含めると、2万円を超えることもあります。
また、検査を受けるにあたっては以下の点に注意しましょう:
- 食事を抜く必要がある検査も:血液検査の前には8〜12時間の絶食が必要な場合があります。
- 便や尿は“採れたて”を持参:可能なら、検査当日の朝に採取したものを持参するのがベストです。
- 病院が苦手な子は事前に相談を:緊張やストレスで体調を崩してしまう子も。落ち着いた環境や時間帯を選ぶと安心です。
まとめ|「今元気だからこそ、健診が大切」
犬や猫は、体調が悪くてもそれを隠そうとする動物です。
「元気そうだから大丈夫」と思っていても、実は体の中では少しずつ病気が進んでいることも…。
だからこそ、“今元気なうちに”健康診断を受けることが大切です。
健康診断は病気を見つけるだけでなく、**安心して過ごすためのひとつの“備え”**でもあります。
迷った時は、まずはかかりつけの獣医さんに相談してみてくださいね。
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