耳そうじって必要?やり方と注意点を獣医師が解説

病気のこと

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はじめに|耳そうじ、実は「やりすぎ注意」って知ってましたか?

梅雨時や夏は、湿気や気温の上昇で「外耳炎」が増える季節。
動物病院でも「耳を気にしている」「耳が赤い、臭う」といった相談が多くなります。

でも、「毎日耳そうじしてます!」という方ほど、実は耳のトラブルを起こしやすいことも。
耳そうじは、正しい頻度とやり方を知ってこそ、健康管理としての効果を発揮します。


犬猫の耳そうじは必要?|「必要だけど、やりすぎはNG」

犬猫の外耳道(耳の穴の構造)はL字型に曲がっていて、汚れや湿気がたまりやすい構造になっています。
とくに以下のような子は、定期的な耳のケアが推奨されます。

  • 垂れ耳の犬種(例:ダックス、コッカー、ビーグルなど)
  • アレルギーや皮膚トラブルが出やすい子
  • 耳が蒸れやすい環境(夏場、シャンプー後など)

ただし、健康な耳に毎日の耳そうじは不要です。
やりすぎると、皮膚を傷つけたり、逆に炎症を起こしてしまう原因になることもあります。


耳そうじの頻度とチェックのポイント

■ 理想の頻度は?

  • 健康な耳:月1〜2回程度のチェックと軽いケアでOK
  • 耳垢が多い/汚れやすい:週1回を目安に、獣医師と相談して頻度調整を

■ 耳の状態チェックのポイント

  • 耳の中が赤くないか?
  • 匂いが強くないか?
  • 耳垢が黄色〜茶色で、量が多くないか?

これらが気になるときは、耳そうじの前に病院での診察をおすすめします。


正しい耳そうじのやり方

STEP1|準備するもの

  • 犬猫用のイヤークリーナー(市販品または動物病院で処方されたもの)
  • コットンまたはガーゼ
  • おやつ(ご褒美用)

STEP2|やり方の流れ

  1. イヤークリーナーを耳の穴に直接数滴垂らす
  2. 耳の付け根を軽くもみもみとマッサージ(「くちゅくちゅ」と音がするくらい)
  3. ペットがブルブルと頭を振るので、出てきた汚れをコットンで拭き取る

💡注意:綿棒はNG!
耳の奥を傷つけたり、汚れを押し込んでしまう可能性があります。


こんなときは要注意|耳そうじでは改善しないサイン

  • 耳から黄色や黒い分泌物が多量に出る
  • 強いにおいがある
  • 頻繁に頭を振ったり、耳をかゆがる
  • 耳が赤く腫れている、熱を持っている

これらは外耳炎や耳ダニ、真菌感染の可能性もあります。
耳そうじでの対処はやめて、早めに動物病院で診察を受けましょう。


まとめ|「やらないと不安」より、「正しくやる」が大切

犬猫の耳そうじは、体調管理のひとつ。
でも、「きれいにしなきゃ」と毎日ゴシゴシするのは逆効果になることもあります。

  • 月1〜2回のチェックと、必要なときのケア
  • 専用のクリーナーを使って、やさしく拭き取るだけ
  • 異常があれば、無理せず獣医師へ相談!

正しいケアで、快適で健康な毎日を一緒に守っていきましょう。

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