自然の中に潜む危険「レプトスピラ症」とは?予防とワクチンの選び方

予防薬

キャンプや川遊びが気持ちよくなる季節。
でも、自然の中には思わぬ感染症のリスクが潜んでいます。

その一つが「レプトスピラ症」です。
犬だけでなく、人にも感染するズーノーシス(人獣共通感染症)で、早期の治療により回復する例もあれば、重症化や死亡例もある病気です。

この記事では、レプトスピラ症の症状や感染経路、予防方法について解説します。
「うちの子に予防って必要?」と悩む飼い主さんも、ぜひ参考にしてください。


レプトスピラ症とは?自然環境に潜む細菌感染症

レプトスピラ症はレプトスピラ菌という細菌によって引き起こされる感染症です。
この菌は主にネズミなどの腎臓から尿と一緒に排出され、川や水たまり、湿った土壌などに長く生き続けることができます。

夏から秋にかけての雨が多い時期は、感染リスクが特に高くなります。

また、レプトスピラ菌には「病原性のあるもの」と「病原性のないもの」があり、「病原性のあるもの」には250種もの種類(血清型)があります。

犬で問題となるのはこのうち8〜10種類程度で、特に以下の血清型が重要です。

  • カニコーラ(Canicola)
  • イクテロヘモラジー(Icterohaemorrhagiae)
  • グリポティフォーサ(Grippotyphosa)
  • ポモナ(Pomona)

どうやって感染するの?川遊びやキャンプは注意!

犬は以下のような状況で感染する可能性があります:

  • レプトスピラ菌に汚染された水や土に触れる
  • 川や池で遊んで口や鼻から菌が侵入
  • 傷口や粘膜から菌が体内に入る

つまり、川遊びやキャンプに出かけた時に感染する可能性があるということです。

また、レプトスピラに感染した犬の排泄物からもレプトスピラは排出されます。そのため、

場合によってはドックランで感染することもあります。


どんな症状が出るの?重症化すると命に関わります

感染した犬には、以下のような症状が見られることがあります:

  • 高熱
  • 元気・食欲の低下
  • 嘔吐・下痢
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 腎障害や出血傾向
  • 重症化すると命に関わることも…

血清型によっては致死率が高いものもあり、注意が必要です。

しかし、早期に治療すれば回復することもあるため諦めずに治療をすることも大切です。

キャンプや川遊びなどに行った後に具合が悪くなってしまったら、獣医師にそうしたことを伝えることも大切です。


人にも感染します。アウトドアの時の触れ合いの時など注意

レプトスピラ症は人にも感染する人獣共通感染症です。

川遊びで犬を抱っこした際、濡れた被毛から人の傷口や粘膜に菌が入ることもあります。

人も感染し、発熱や筋肉痛、頭痛、黄疸などの症状が現れます。
農業従事者やアウトドア活動をする方の感染例が報告されています。


どこで発生しているの?暖かい地域に多いです

日本では西日本や沖縄など暖かい地域で多く発生しています。
特に夏〜秋にかけて、発症例が増える傾向にあります。

最近では関東エリアでも散発的な発症が見られるため、安心はできません。

世界的に見てもブラジルやフィリピン、タイなど熱帯・亜熱帯の国で大発生が認められています。

出典:国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイトホームページ

(https://docs.google.com/document/d/1-IpQwMDtqjNkrXn4-aRX-v4nKuYjlvjk1ROTjdDv_ms/edit?tab=t.nt1fy81du5ex


ワクチンで防げます!「8種以上」を選ぶ理由

レプトスピラ症は、混合ワクチンのうち「8種以上」に含まれています。

  • 5種・6種ワクチン → レプトスピラ症はカバーされない
  • 8種以上 → レプトスピラ菌のいくつかの血清型をカバー

💡 注意点
レプトスピラには多くの「血清型(種類)」があり、すべてに対するワクチンは存在しません。
そのため、どの血清型を含んでいるかはワクチン製品によって異なります。


うちの子に必要?ライフスタイル別に表で理解!

よくあるケースを例にすると:

ライフスタイル推奨されるワクチン
散歩だけの家庭犬5種・6種で十分なことが多い
川や山、公園によく行く犬8種以上がおすすめ
野外で過ごす時間が長い場合10種など多くの血清型に対応したワクチンを検討

判断に迷う場合は、かかりつけの動物病院で相談してみましょう。

このほかにも、台風の後増水した川の近くの河川敷を歩く際は注意が必要です。


まとめ|レプトスピラ症は自然からくる「見えないリスク」

  • 自然環境に存在する細菌感染症で、犬も人も感染する可能性あり
  • ワクチンで予防できるが、すべての血清型をカバーできるわけではない
  • 愛犬のライフスタイルや地域に応じて適切なワクチンを選びましょう

身近な自然にもリスクはあります。レプトスピラ症から大切な家族を守るために、今日からできる予防を始めましょう。


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