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「ちょっとくらい大丈夫」が命取りになることも
犬や猫と暮らしていると「ちょっとくらいなら…」と、つい食べ物をあげたくなることがあります。
でも、私たち人間にとっては身近な食品が、ペットにとっては命に関わることも。
本記事では、食べさせてはいけないNG食材とその理由を、わかりやすく解説します。
【重篤な症状】特に気をつけたいNG食材
まずは食べると重篤な症状を引き起こす危険がある食材を紹介します。
どの家でも普通に置いてあるものなので注意が必要です
玉ねぎ・ネギ・ニラ・にんにく(ネギ類)
- 原因物質:有機チオ硫酸化合物
- 特徴的な症状:貧血、黄疸
- 病態:原因物質が赤血球を酸化して酸素を運ぶ能力を奪う
チョコレート・ココア(カカオ)
- 原因物質:テオブロミン、カフェイン
- 特徴的な症状:落ち着きがない、痙攣やふるえ、不整脈
- 病態:テオブロミンを分解する力が弱いので体内に蓄積されてしまう
ブドウ・レーズン(レーズンパンなどにも注意)
- 原因物質:特定されていない(カビ毒やビタミンD類似物質など諸説あり)
- 特徴的な症状:他院多尿→無尿、急性腎不全
- 病態:原因物質が分からないため不明
アルコール(発酵食品にも注意)
- 原因物質:アルコール(エタノール)
- 特徴的な症状:ふらつき、ぼんやりする、昏睡
- 病態:アルコールを分解する力がなく、急速にアルコールを吸収する
キシリトール(ガムなどに注意)
- 原因物質:キシリトール
- 特徴的な症状:ふらつきや脱力→低血糖、肝不全(黄疸など)
- 病態:キシリトールが血糖値を下げる「インスリン」を大量に放出させる
【実はNG】意外と知られていないNG食材
アボカド
- 原因物質:ペルシン、皮や種は腸閉塞の原因になる可能性あり
- 特徴的な症状:下痢や嘔吐などの消化器症状、大量に摂取すると急性膵炎の原因になる
- 病態:ペルシンによる中毒症状。脂質が多いため大量に食べると膵臓に負担がかかり急性膵炎になる
コーヒーやお茶などのカフェインが含まれるもの
- 原因物質:カフェイン、テオブロミン
- 特徴的な症状:チョコレートと同じく興奮やけいれんなど
- 病態:チョコレートと同じ。カフェインは体内でテオブロミンになる。
生のイカやタコ
- 原因物質:チアミナーゼ
- 特徴的な症状:ふらつきや歩行困難、けいれん
- 病態:チアミナーゼがビタミンB1(チアミン)を分解しビタミンB1欠乏症になる。ビタミンB1は脳や神経にとって重要な栄養なので、これが無くなると、ふらつきなどの神経症状が出る。
生の卵白
- 原因物質:アビジン
- 特徴的な症状:皮膚炎
- 病態:アビジンがビオチンの吸収を阻害する。
加熱調理によってアビジンは分解される。また、卵黄には多量のビオチンが含まれるため全卵は問題ないとされています。
乳製品
- 原因物質:乳糖
- 特徴的な症状:下痢や嘔吐などの消化器症状
犬や猫は乳糖をうまく分解できないことがあり、牛乳などを与えると下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。
※ただし、乳糖が分解された無糖ヨーグルトなどは少量であれば問題ないケースもあります。個体差が大きいため、与える際は慎重に。
【もし食べてしまったら?】中毒の初期症状と対処法
食べた量や体重、症状の有無によって対応が異なるため、自己判断せずにすぐに動物病院に相談しましょう。
特に中毒を起こしやすいもの(ネギ類・チョコレート・キシリトールなど)を食べた場合は緊急対応が必要です。
まとめ|「うちの子を守るために」知識と日常の注意で防ぐ
私たちにとっては何気ない食べ物でも、犬や猫にとっては命に関わるリスクを持つことがあります。
「ほんの少しだから」「今まで平気だったから」と思っても、体の大きさや代謝の違い、個体差によっては思わぬ中毒や重い症状を引き起こすことも。
大切な家族を守るためには、正しい知識と日頃からの注意が大切です。
迷ったときは与えないこと、そして不安なことがあればすぐに動物病院へ相談することを心がけましょう。
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