犬猫の混合ワクチンは必要?種類や副作用、選び方まで獣医師が解説!

予防薬

「うちの子にワクチンって本当に必要?副作用が心配で…」
そんな声を動物病院でもよく聞きます。
でも、犬や猫にとって混合ワクチンは、“命を守る”ための大切な予防策です。
この記事では、獣医師としての視点から、混合ワクチンの必要性・種類・副反応のリスク、そして抗体検査についてまで、わかりやすく解説します。

結論|混合ワクチンは命を守るために必要な予防策

混合ワクチンは命に関わるウイルス感染症に対して特に有効です。

また、ウイルス以外にもレプトスピラ症(犬)やクラミジア(猫)といった細菌感染症についても予防できます。

ワクチンで予防できる病気はどれも命に関わる病気で重要です。特に幼齢期の子犬子猫ではワクチン接種をしていない場合重症化のリスクが高まります。

例えば、ジステンパー感染症は死亡率が50〜90%と非常に高いです。

また、レプトスピラ症の死亡率もおよそ50%です。これは人も移る可能性があり、ハイリスクな環境にいる場合は予防が推奨されます。

混合ワクチンとは?何種類あるの?

混合ワクチンは犬と猫で違い、種類もいくつかあります。ここではワクチンの種類について詳しく解説します。

犬の混合ワクチン(5種・6種・8種など)

  • 5種、6種: 必ず予防が推奨されている感染症の予防ができる(コアワクチン)
  • 8種、9種、10種:コアワクチンに加えてレプトスピラ症の予防ができる。

[レプトスピラ症に関する詳しい解説はこちらの記事をご覧ください*ただいま準備中です→レプトスピラ症とは?]

猫の混合ワクチン(3種・5種など)

  • 3種:ヘルペスウイルス、カリシウイルス、パルボウイルス感染症(汎白血球減少症)の予防。ヘルペスウイルスとカリシウイルス感染症は完全な予防ではなく、重症化リスクを下げる役割がある
  • 5種:猫白血病ウイルス感染症と猫クラミジア感染症の予防
    猫白血病ウイルス感染症は主に野外の猫から感染します。屋外に出ない猫なら感染リスクは低いですが、屋外に出る猫や保護猫を受け入れた時は注意が必要です。

うちの子には何種のワクチンが必要??ライフスタイルで考えましょう!

これはワクチンを打つ前によく聞かれる質問です。

飼い主さんや犬猫のライフスタイルに合わせて選んであげましょう!

犬|普段はお散歩くらいしかしない

5種・6種で充分なことがほとんどです。

犬|キャンプやレジャーで山や川に行く

8種以上でレプトスピラの予防もするのがおすすめ

レプトスピラはネズミの排泄物に汚染された水や土、感染した犬などの排泄物などから感染します

[レプトスピラ症に関する詳しい解説はこちらの記事をご覧ください*ただいま準備中です→レプトスピラ症とは?]

猫|完全室内飼いで外猫との接触もない

基本的に3種で充分です

猫|外に出る子

屋外で生活する猫から白血病ウイルスをもらう可能性があります

そのため検査してから5種を接種するのが無難な選択です

保護猫をお迎えした(先住猫がいない)

保護した猫が白血病ウイルスに感染しておらず、外に出さないなら3種で大丈夫です。外に出たり外猫と接触するなら5種を接種するのが無難です

保護猫をお迎えした時、先住猫のワクチンは?

まずは保護猫が白血病ウイルスに感染してないか検査しましょう。

[猫白血病ウイルス感染症に関する詳しい解説はこちらの記事をご覧ください*ただいま準備中です→猫白血病ウイルス感染症とは?]

感染してなければ3種でも大丈夫です。もし感染している場合は先住猫が白血病ウイルスに感染するのを防ぐために、先住猫には5種を接種しましょう。

狂犬病ワクチンとは?混合ワクチンとの違い

同じものだと思われることも多いですが別物で、別々に接種します。

狂犬病予防法で毎年1回接種が義務付けられています。混合ワクチンとは予防できる病気が異なり狂犬病の感染を防ぐワクチンです。

ワクチンに副反応はあるの?気になる副作用と対応のポイント

よくある副反応

  • 顔の腫れ
  • 食欲の低下
  • 発熱や嘔吐、下痢 など

重い副反応が起こることもあるの?

ごくまれにアナフィラキシーショックが起こる場合もあります。例えば次のような症状があったらすぐに近くの病院に連絡しましょう。

  • 顔の腫れ
  • 全身の強い痒み など

不安な時は抗体検査を活用して

高齢や持病のある子には、抗体検査を行ってから接種を検討するのも良い選択肢です。

抗体検査については次のセクションで詳しく解説していきます!

抗体検査ってなに?体内にワクチンでできた抗体が残っているかを調べます

抗体検査は、体内にワクチンでつくられた“感染症から守る力”がどれくらい残っているかを調べる検査です。
最近では抗体検査を取り入れる動物病院も増えてきたため、「毎年必ずワクチン接種しなければいけない」とは限らないという考え方も広まりつつあります。

検査結果の判断についてはかかりつけの獣医さんにしてもらい、一緒に相談しながらやっていきましょう!

まとめ|混合ワクチン接種は基本。抗体検査もうまく使って愛犬・愛猫を守ろう

  • 混合ワクチン接種は命を守るため必要
  • 地域やライフスタイルに合わせて選ぼう
  • 最近では抗体検査も組み合わせている病院も増えてきた

ワクチンの種類に迷ったら、かかりつけの動物病院で相談してみましょう !

副反応が心配な場合は抗体検査を活用するのも一つの方法です。抗体検査についても、一度聞いてみるのがおすすめです。


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